未来は霧のなか
美佐子がいない間に、私達の生活は 少しずつ変わっていた。
私が 亮太と付き合い始めたことがきっかけで 典子と千恵は 片思いの人に告白した。
典子は 中学の先輩と付き合い始めた。
千恵も元同級生と 電話やメールを するようになっていた。
輝美は アルバイトを始め、あゆみは 進学に備えて 塾に通い始めた。
私達は 放課後 みんなで寄り道をすることが なくなっていた。
特に今は 試験前だから。
それに私は、亮太と付き合い始めて 煙草を 吸わなくなった。
「早く、『野ばら』に行きたいよ。」
他愛ない会話の後で、美佐子は言うけれど。
もう私達は、一ヶ月前とは違う。
戻ってきた美佐子と 同じようには 付き合えない。
みんな それぞれの生活を し始めている。
仕方がない。寂しいけれど。