未来は霧のなか

恋に 夢中で 幸せな冬休み。

クリスマスに おしゃれをして行ったレストランで、亮太は 私にオルゴールをくれた。

回すと『白い恋人達』の音楽で、小さな男の子と女の子が 回転する 木製のオルゴール。
 

「わあ。可愛い。」

箱を開けて 喜ぶ私を 亮太は 嬉しそうに見つめる。
 
「リョウ、ありがとう。すごく嬉しい。」

私はそう言って 何度もオルゴールを回す。
 



私は、亮太に マフラーをプレゼントした。

ちょっと奮発した チェックのマフラーは 私とお揃い。
 
「ヒロ、こんな高い物 貰っていいの。」

マフラーと私を 交互に見る亮太。
 
「もちろん。いつもリョウに おごってもらっているから。お小遣い 余っているの。」

二人でいる時 亮太は私に お金を使わせない。

缶ジュース一本でも 亮太が 買ってくれる。
 


「それに 私のは お母さんに買ってもらったから。大丈夫。」

私の笑顔を見て、亮太も ホッとした笑顔になり、
 
「新学期からは、ペアでして行こうね。」

と言った。
 

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