未来は霧のなか

学校では、2年生のクラス分けが 一番 興味のある話題だった。


理系クラス、文系クラス、専門学校クラス。

進路別に分けられるクラス。
 


仲の良い友達と 同じクラスになるには 進路を合わせるしかない。

でもみんな 得意科目は違うし。

進路の希望も違う。


今、一緒にいる仲間達とも ばらばらになるだろう。
 


「典子と浩子は 多分 同じクラスになるよ。理系は一クラスだから。」

あゆみの言葉に 私は典子と 微笑み合う。
 
「文系は二クラスあるから。私達 一緒になれるかどうか わからないよね。」

あゆみは 千恵と輝美を見て言う。
 


「成績順で クラス分けるでしょう。大丈夫だよ、文系でも上のほうになるよ、みんな。」

千恵は楽観的に言う。
 


「美佐子は?文系?理系?」

私が聞くと
 
「私は専門クラスだよ。進学は無理。」

と美佐子はサラッと言う。
 
「どうして。成績悪くないし。大学受験は 内申書とか関係ないでしょう。」


美佐子の返事に驚いて、あゆみが言う。
 
「そうだよ。美佐子も 大学受けなよ。」

私もあゆみの言葉に同意する。

みんなも頷く。


「真面目に勉強して 大学行って その後四年も また勉強するの。面倒だよ。もう私、自由になりたいんだ。」

美佐子は言う。
 
< 87 / 136 >

この作品をシェア

pagetop