未来は霧のなか

電話を切ると、亮太は 近くの公園まで来てくれた。

コンビニに行くと言って、私は家を出る。


真っ暗な、誰もいない公園。

私は 亮太に抱きしめられた。
 

「ヒロ。ごめんな。」

亮太は 私の髪を撫でながら、優しく言う。


「ううん。私が悪いの。リョウ、好き。」

私は 亮太の胸に 顔を埋めて、初めて 自分から 好きと言った。


心から溢れた言葉。
 

「ヒロ。俺も。大好きだよ。電話してくれて、ありがとう。」

亮太は 私の顔を上げると、そっとキスをした。
 


亮太の熱いキスに 私の体は 甘く反応してしまう。

ささやかな興奮に 涙が溢れて。


私は 泣きじゃくりながら、何度も 亮太と唇を重ねた。
 


「どうしたの。今日のヒロ、マジで可愛いんだけど。」

亮太は そっと私を抱いて、背中を撫でてくれた。
 


もしかして私は 明日 亮太に許してしまうかもしれない。


亮太と付き合い始めて、まもなく二ヶ月。


今までで一番 亮太を愛しく思いながら 私は亮太の胸に抱かれていた。
 
 




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