未来は霧のなか
「ヒロ。明日も抱きたい。いい?」
少し甘えるように言う亮太。
こうなることは、わかっていたけれど。
私は頷く。
私も、また 抱かれたいと 思っていたから。
「ちゃんと、デートもするからね。そればっかりには、ならないから。」
亮太は 私がぶつけた不満を 心に留めていてくれた。
もう一度頷く私は、そっと亮太に キスをする。
「ヒロ。」
と亮太は 私を抱き締める。
不意に 涙が溢れて、私は 泣き出してしまう。
自分でも、自分の気持ちが わからなくて。
亮太が 困っていることに 気付いたけれど。
涙を止めることが できなかった。