未来は霧のなか
私が 藤田にぶつけた言葉は、仲間達にも 言えない。
もちろん、美佐子にも。
本心じゃないけれど。
言ったということは、心のどこかで 思っていたのかな。
矛盾だらけの心。
もし知ったら、仲間達は どう思うだろう。
私を 裏切り者と 思うかもしれない。
でも、わかってくれるような気もする。
美佐子はあまりにも遠いから。
仲間達は、それを感じているから。
多分、私は ヤキモチを焼いただけ。
美佐子を心配する藤田に。
亮太と喧嘩して、寂しかったから。
私を心配する、亮太の言葉は 重荷で。
意地になって 反抗したくせに。
美佐子を心配する藤田の言葉に、
私は傷ついた。そして反発した。
矛盾だらけで。わかり難くて。
すぐ苛立つくせに、構ってほしくて。
いつまで、こんな風に揺れているのだろう。
もうすぐ 16才の誕生日だというのに。