ぜんぜん足りない。
少女漫画的展開を期待もしなかったし、そもそもこおり君はマンション内で顔を合わせても「どーも」ってそっけないあいさつしかしてくれなかったし。
無表情、無関心、無感動っていうこおり君の噂も、あながち間違ってなさそうだなーって思いながら。
彼女になった人は大変だろうなーとも思いながら。
まさか自分がそうなるとは
思わないまま……
『好きなの? プリン』
ある日、突然
──────落ちてしまった。