ぜんぜん足りない。
なまえを呼ばない。
.
.
「桃ちん、ひとりでニヤニヤしてると怖いよ?」
月曜日の朝。
スマホのロック画面に夢中になりすぎて、仲良しのミヤちゃんが近づいてきたことに気づかなかった。
「なに、この大量の不在着信」
「んふふ、じつはこれスクショなんだよ」
「え……通知のスクショをホーム画面に設定してるの……? なぜ……ていうか誰からの着信?」
「あ、う、それは内緒だけど……」
昨日、こおり君が帰ったあとに慌ててスマホを充電したんだ。
そしたら、わたしがお風呂に入ってた時間帯の着信通知がずらーっと現れて、
あやうく天に召されるところだった。
だれにも言わないって約束だから、こおり君の名前はハートのスタンプで隠しておいたけど。
「ロック画面の通知のスクショをロック画面にしてるの、意味わかんない」
「うぅ……。でも、メンズ地下アイドルオタクのミヤちゃんだって、推しからのリプライをSNSのヘッダーとかホームにしてるじゃん。それと一緒だよ」
「やだ〜桃ちんと一緒にしないで〜」
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「桃ちん、ひとりでニヤニヤしてると怖いよ?」
月曜日の朝。
スマホのロック画面に夢中になりすぎて、仲良しのミヤちゃんが近づいてきたことに気づかなかった。
「なに、この大量の不在着信」
「んふふ、じつはこれスクショなんだよ」
「え……通知のスクショをホーム画面に設定してるの……? なぜ……ていうか誰からの着信?」
「あ、う、それは内緒だけど……」
昨日、こおり君が帰ったあとに慌ててスマホを充電したんだ。
そしたら、わたしがお風呂に入ってた時間帯の着信通知がずらーっと現れて、
あやうく天に召されるところだった。
だれにも言わないって約束だから、こおり君の名前はハートのスタンプで隠しておいたけど。
「ロック画面の通知のスクショをロック画面にしてるの、意味わかんない」
「うぅ……。でも、メンズ地下アイドルオタクのミヤちゃんだって、推しからのリプライをSNSのヘッダーとかホームにしてるじゃん。それと一緒だよ」
「やだ〜桃ちんと一緒にしないで〜」