ぜんぜん足りない。


みっちーが言いたいこと、なんとなくわかる気がした。


こおり君はやんちゃグループとつるんでいながらも学校側に怒られるような粗相はしない。

だからといってその中で浮くわけでもなく、むしろ周りは皆こおり君を慕っているから、謎の裏ボス感があるんだ。



「オレが掛けのお題決めのときあの中にいたら止めてやれたのに、あの日は隣のクラスの子とデートしててさ……。ほんとごめん!」

「いやいや! みっちーは謝らなくていいよ⁉」


「だって。桃音ちゃんいい子なのに、傷ついてるの、なんか見てらんないっていうか……」

「わたし大丈夫だよ? 心配してくれてありがとう、みっちー……」



みっちーが眉をハの字にして、あまりにも申し訳なさそうに言うから、逆にこっちが謝りたくなる。

関係ない人に気を使わせてちゃだめだよね。しっかりしないと。


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