ぜんぜん足りない。
どんな格好していけばいいかわからないし、メイクもガッツリ派手にしたことはないし、男の子と何話せばいいかわかんないし……エトセトラ。
悩むわたしの思考を見透かしたように
「大丈夫! みやこがお洋服選んだげる! あといい感じのメイクも教えてあげるし、話なんか流れに任せていい感じに持ってっちゃえばいいんだよ〜」
手にぎゅうっと力をこめるミヤちゃん。
困った。参加させる気満々だ。
どう断ろうかと頭を巡らせる。
だけど、
「みやこ、そろそろ限界なの! 元気ない桃ちん見たくないんだよね……。郡くんみたいな男には、いい加減懲りてほしいっていうか、もっと幸せにしてくれる人は絶対いるから」
そんなことを言われたら、首を横に振れなくなる。
わたしが悩んでたせいで、知らないうちにミヤちゃんの気持ちまで下げてしまってたのかも……。