ぜんぜん足りない。
「その合コンの予定日はいつですか……?ミヤちゃん」
「2週間後だよっ」
「じ、じゃあ、参加してみようかな……。その頃には、喉もよくなってると思うし」
「よしきた‼ 参加の連絡入れとくね!」
勢いに任せた感じはあるけど、人生は勢いが大事って言うし。これでこおり君を忘れられたら一石二鳥だよね。
「桃ちんは、このあとまだ教室残るんだっけ?」
「あ、うん。例の課題終わらせてから帰ろうと思う」
「それがいいねぇ。明日も忘れた〜なんてことになったら笑えないよ。雑用じゃ済まないと思う。頑張ってね?」
「頑張るう……。ミヤちゃんは気をつけて帰ってね!」
手を振ってその背中を見送ると、教室にひとりぼっちになった。
この課題、1時間もあれば終わるかな。
取りかかる前にトイレに行っておこうかな。放課後のひと気のないトイレって怖いし、今のうち。