ぜんぜん足りない。


「えっ、先生いらっしゃらないんですか?」


1時間後。
課題を出しに向かった先で、まさかの担任不在。



「今は席を外しておられるから、机の上に出しておくといいよ。私からも伝えておいてあげるから」


隣の英語の先生がそう言ってくれたから、お言葉に甘えて机に置かせてもらった。


先生がいたらいたでまた怒られるかもしれないし、ラッキーだったかも。



教室に戻っても、こおり君の荷物は残ったままだった。

待ってたら会えるだろうけど、そんな甘さは断ち切るしかない。


今日は『関わらないで』なんて言っちゃったけど、結果的によかったのかもしれないなあ。



サヨナラ、こおり君!


今までありがとう。大好きだったよ、今も大好きだけど、ちゃんと……新しい恋見つけるからね!!


今度こそ終止符。


帰り道で、またちょっとだけ涙がでた。

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