ぜんぜん足りない。
タイミングが悪い。
いじわるだよ。
こおり君に振られるし、喉を痛めるし、今日はミヤちゃんにも会えなくて、雨に打たれて帰った先には、律希ももういない。
……寂しい。
ベッドにもぐりこんで、上から毛布をかぶった。
会いたい……こおり君……。
こおり君……。
こんなこと思っちゃだめなのに。
スマホの連絡先を開いてしまう自分がいやになる。
この通話ボタンはぜったいに押しちゃいけない。
間違って、指が当たっちゃったの。なんて言い訳をしたら、ちょっとは相手をしてくれるかな。
なんて考えちゃだめ、だよ、わたし…。