ぜんぜん足りない。
わるいことなんて知らなかったの。
ごめんなさい。
『モンゲン』がなんなのか知らなかったの。
ごめんなさい。
泣きながら謝ったけど、その日からアヤちゃんとは遊べなくなった。
わたしは周りの子たちと違う。
違うってことは、一緒にいる相手を不幸にしちゃうってことだと思ったんだ。
だから自分から距離を置くようになった。
遊びに誘われても断って、断って、断って……。
そしたら、もう誰も話しかけてくれなくなった。
『笑わない』とか『暗い』とか。その他いろいろ、影で言われてた。
直接暴言を吐かれたり、物を隠されたり、そういういじめにこそ発展しなかったものの、クラスで完全に孤立状態。
『ももねちゃん、なんでも先生に言ってね?』
見かねた担任の先生がお母さんに連絡してくれた──────のが、ひとつのきっかけだったと思う。