ぜんぜん足りない。


あとね、こおり君。



こおり君と付き合ってから、

わたしはこおり君の目が死んでるって

思わなくなったんだよ。



気だるげなのは変わらないし、生き生きしてるってわけでもないけど。


ちょっとの違いなんだけどね、気のせいなんかじゃないと思うんだ。


わたしといる時間は──────ほんの少しでも……嫌なこと、忘れられてたのかな?って勝手に思ってるよ。


これは自惚れだよ、笑ってね。



どんなに時が経っても、他に好きな人ができたとしてもね、

こおり君のことを好きだった一瞬一瞬の……記憶だけは、ずっと褪せないと思うんだ──────。



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