ぜんぜん足りない。
「べつに、肩をもってるわけじゃない。オレは自分が思ってることを正直に伝えてるだけ。言っとくけど、オレだって光里が勝手にどっか行ったの許してないから」
静かに言い放たれると、こっちは何も返せなくなる。
みっちーだけが冷静。
大人。
「桃音ちゃんが、光里のことを許せないって思うんなら忘れたほうがいいと思う」
「そうだよ桃ちん、あんなクソ男さっさと忘れてよ! ずっと桃ちんの気持ちもてあそんで、挙句捨ててさあ、転校前に那月に乗り換えて、何様なんだっての‼」
荒ぶるミヤちゃんを、みっちーが「まあまあ」となだめる。
「過去のこと話しててもしょうがないからねぇ。問題は、これから桃音ちゃんがどうしたいかって話」
だよね?と視線を送ってくるみっちー。