ぜんぜん足りない。

スマホを片手に待つこと5時間。


公式アカウントからの通知に飛び上がっては肩を落とし、飛び上がっては肩を落とし……。

いったい、何度繰り返したことだろう。


気づいたら0時を回っていた。



……うそでしょ
こんな仕打ちってあるの……っ?


毎日来てた彼女が、来なかったんだよ。

彼氏としてどうなの。
それ以前に、人としてどうなの。



わたしってやっぱり……愛されてない?


……なんて。
──あっちは遊びなんだから当然じゃん。


自暴自棄になって枕を投げた。

あーあ。
セルフツッコミ、けっこう切ない。


こんなに他人扱いされるなら、もうこおり君の部屋には行けないよ。


今ごろ、せいせいしてるかも。

うるさい隣人が、やっと静かになったって。


ベッドの上で、連絡が来なかったスマホの充電がぷつりと切れた。


真っ暗な画面。
コンセントを差す気も起こらなかった。


だって、明日(もう日付変わっちゃってるから、ほんとは今日)は土曜日。


学校もないし、今日はこのままふて寝しようっと……。

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