ぜんぜん足りない。
みっちーと男子くんのそんな会話も、右の耳から左の耳。
うわのそら……というか、
今のわたしは『こおり君と目が合ったらどんな顔をしよう』で頭がいっぱい。
わたしの背後に、いっぱい人の気配を感じる。
さっき遠目から見た感じだと、6人くらいいるように見えた。
その中にこおり君がいるはずで……。
こおり君は、わたしに気づいて……ない、わけない、よね。
「あ、ドタキャンといえば。ヒカリのヤツ、またやりやがったぞ」
そのセリフで現実に引き戻された。
「あーヒカリくんねぇ。誘い断られるなんて、いつものことじゃあん?」
みっちーがケラケラ笑う。
・ ・
……また?
・ ・ ・ ・ ・ ・
……いつものこと?