年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
「……ニルベルグ王国では、八年前のクーデターで王と王太子が討たれて、王弟のルドモント公爵が王位を簒奪しました」
重く、口を開いた。
私はこれを知識でなく、実際の体験として知っている。
このクーデターにより、私は家族を失っている。心に暗く影を落とす、苦すぎる記憶だ。
もちろん、時の王や王太子を悼む気持ちがないわけではないけれど、私にとっては見も知らぬ人達の死より、身近な家族の死の方が余程に受けた傷は大きい。
「それ以降は人伝に聞いた内容ですが、即位から数年は、少なくとも表面上は安定した統治が敷かれていたようです。でも内情は散財によって火の車で、増税を強行したものだから、不満を噴出させた領主らが結託して正統な後継者である前王の子を引っ立てて王位を奪還した。って、こんな感じですよね? たしか、新王が即位してまだ数カ月しか経っていないはずです」
私はセラヴィンさんに、自分の知り得る情報を告げた。
「なるほど、実に忠実に内情を捉えている」
セラヴィンさんは苦笑して頷いた。
重く、口を開いた。
私はこれを知識でなく、実際の体験として知っている。
このクーデターにより、私は家族を失っている。心に暗く影を落とす、苦すぎる記憶だ。
もちろん、時の王や王太子を悼む気持ちがないわけではないけれど、私にとっては見も知らぬ人達の死より、身近な家族の死の方が余程に受けた傷は大きい。
「それ以降は人伝に聞いた内容ですが、即位から数年は、少なくとも表面上は安定した統治が敷かれていたようです。でも内情は散財によって火の車で、増税を強行したものだから、不満を噴出させた領主らが結託して正統な後継者である前王の子を引っ立てて王位を奪還した。って、こんな感じですよね? たしか、新王が即位してまだ数カ月しか経っていないはずです」
私はセラヴィンさんに、自分の知り得る情報を告げた。
「なるほど、実に忠実に内情を捉えている」
セラヴィンさんは苦笑して頷いた。