年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
第六章
私が王宮に暮らすようになって二週間。
その晩も、セラヴィンさんは月が一番高い所を通り過ぎてから寝室に現れた。
「セラヴィンさん、お帰りなさい。お疲れさまでした」
私が駆け寄って告げると、セラヴィンさんはほんの少し困ったように微笑んで、そっと私の頭を撫でた。
私を迎え入れるにあたって、セラヴィンさんは大臣をはじめ、王宮の従事者らに「妃を迎えに行く」と公言して憚らなかった。側近らに至っては、セラヴィンさんが私を救いたいがために王位奪還を決意した事まで、詳細に把握していた。
だから私は、セラヴィンさんに伴われて王宮に来たときから、事実上の王妃として扱われている。
「起きていたのか? 予習で朝が早いんだ、俺を待たずに先に寝てくれていい」
当然、寝室もセラヴィンさんと同室があてがわれ、最初の晩から私たちはずっと褥を共にしていた。