年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
「私が……っ!?」
 予想だにしない言葉に驚き、呼吸の仕方を忘れた。
 なんでかは分からない。だけど私は、自分が命を狙われるという現実にまるで思い至っていなかったのだ。
 それはもしかすれば、一カ月後に迫る立后に対し、私の中でまだ認識の甘さがあったのかもしれないし、覚悟と自覚が伴っていなかったからかもしれない。
 とにかく、私の想像力が足りなかった事は間違いなかった。
「……そうだったんですね」
 けれど、少し冷静な頭で考えればすぐに分かる。あの料理は、そもそも私の昼食を想定して作られたものなのだ。セラヴィンさんは、たまたま同席したに過ぎない。
 ならば、狙われたのは私だ……。
「どうして私は考え至らなかったんでしょうね。冷静に考えれば、平民出身の私とセラヴィンさんの結婚を快く思わない人がいるのは当然ですよね」
「……果たしてそうだろうか」
「え?」
 ところが、セラヴィンさんは私の見解に眉間に皺を寄せ、考え込む素振りを見せた。
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