年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
「……そうだったか。だがリリア、難しいとは思うが食事に関して必要以上に神経質にならないで大丈夫だ。相互監視の仕組みを整え、安全管理の徹底を図った。昼食のような事態はもう起こらん。それでももし、昼間の事を思い出して食べられないと思ったら、無理に食わんでいい。その代わり、次の食事には必ず俺を誘ってくれ。また俺と一緒に食おう。なに、また俺がいくらだって食わせてやるさ」
「ふふっ、そうですね。それじゃあ、遠慮なく誘わせてもらいます。ただし、私がセラヴィンさんを誘う時は、あなたが政務に集中するあまり食事を忘れている時です。だって私、もう食事に怖さはないんです。きっと、あなたが大丈夫って言ってくれたからですね」
 リリアがはにかんだ笑みで答えた。
 その笑みのあまりの眩さに、そっと目を細くした。
 けれど、その笑みが眩ければ眩いほど、俺の胸には苦い物が広がる。この笑みに影を差す辛い現実が、どうかこれ以上降りかかってくれるなと、今はリリアの胸に移ったお守りに願わずにはいられなかった。




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