年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
「っ! と、とにかく消さなきゃ!」
そうこうしている内にも、藁は瞬く間に燃え上がる。
小屋内を見回すが、水はなかった。私は園芸用品の中から水分を多く含む腐葉土の入ったバケツを持って燃え上がる藁に寄り、炎に向かってかける。
しかし、燃え盛る藁に歯が立たない。
「……どうしよう、全然だめ」
藁から上がった火は、小屋内の備品を巻き込んで、段々と勢いを増していく。そうして火は、容赦なく木製の小屋それ自体をも焼いていく。
私は消火を諦めて、火の手から対角の隅でしゃがみ込んだ。背中を小さく丸め、ドレスのポケットから手巾を取り出して口元を覆う。
小屋内の温度はみるみる上昇し、皮膚がピリピリと焼け付くようだった。しかし狭い小屋内は、予想以上に煙の充満が脅威となった。
「っ!!」
迫る炎よりも、呼吸の苦しさに死の足音が近づいているのを感じた。
密閉された小屋内には、煙の逃げ場が一切なかった。空気の逃げ口を作らないと……!
慌てて周囲を見回す。
……なにか、なにか棒のような物はない!?
そうこうしている内にも、藁は瞬く間に燃え上がる。
小屋内を見回すが、水はなかった。私は園芸用品の中から水分を多く含む腐葉土の入ったバケツを持って燃え上がる藁に寄り、炎に向かってかける。
しかし、燃え盛る藁に歯が立たない。
「……どうしよう、全然だめ」
藁から上がった火は、小屋内の備品を巻き込んで、段々と勢いを増していく。そうして火は、容赦なく木製の小屋それ自体をも焼いていく。
私は消火を諦めて、火の手から対角の隅でしゃがみ込んだ。背中を小さく丸め、ドレスのポケットから手巾を取り出して口元を覆う。
小屋内の温度はみるみる上昇し、皮膚がピリピリと焼け付くようだった。しかし狭い小屋内は、予想以上に煙の充満が脅威となった。
「っ!!」
迫る炎よりも、呼吸の苦しさに死の足音が近づいているのを感じた。
密閉された小屋内には、煙の逃げ場が一切なかった。空気の逃げ口を作らないと……!
慌てて周囲を見回す。
……なにか、なにか棒のような物はない!?