年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
第八章


 毒物混入から三日が経ち、当時の証言が集まって、捜査は大詰めを迎えていた。
 毒物は、俺とリリアのメインの肉料理の表層部分より検出された。これにより、毒は料理が仕上がった後に振りかけられたと判明した。
 事件当時、食堂内でメインの皿の提供に携わった者が三名いる。
 まず、俺とリリアに直接皿を運んだ者が二名。この二名は、食事の開始する前から食堂内に控えていた女官で、厨房から運ばれてくる料理を順次、俺達に配膳する役だった。
 この二名の配膳は俺達の他、多くの目がある状態でなされており、隙を見て毒物を混入するのは難しい。
 三人目が厨房から食堂まで料理を運んだ給仕係の男。この男は厨房から食堂まで、一人で料理をのせた配膳ワゴンを押して移動している。廊下には等間隔に近衛兵が配置されているとはいえ、男の一挙手一投足を漏らさずに見ているわけではない。状況的には、毒の混入も十分に可能と考えられた。
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