年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 私はかつて猫なで声で自室を訪ねて来たお義父様に扉を開き、体を撫で回された事がある。たまたまやって来た侍女を見て、お義父様はそそくさと部屋を出ていったが、その時のおぞましい感触を思い出すだけで肌が粟立った。
「私はもう、お風呂は一人で入れます! 体も洗い終わっていますし、もう出るところですから」
 胸が鷲掴みにされてしまったみたいに苦しくて、満足に呼吸ができない。それでもなんとか、私は声を絞り出して答えた。
 これ以上ないくらい湯船の壁にピッタリと背中を寄せて、カタカタと震える体を守るみたいに抱き締めた。
「なに、儂らは親子なんだから、遠慮する事など無い」
 湯けむりを割り、お義父様が現れる。お義父様は厭らしい笑みを浮かべながら、私に向かって手を伸ばす。
「っ!?」
 握っていたタオルが掴まれて、強引に引かれる。タオルは私の手を離れ、お義父様に奪われた。
 お義父様は好色な目で、私を舐め回すように見下ろしていた。
「さぁ、上がるんだ。儂が、リリアの体を綺麗に洗ってあげよう」
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