年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
第二章
三年の月日が流れた。私は十四歳になっていた。
あの浴室の一件以降、私はお義父様に対し、これまで以上に自衛を徹底した。寝室や浴室の内鍵はもちろん、使用人の配置を意識して、不用意に一人きりになる事を避けた。
お母様からは相変わらず、食事等の厳しい支配が続いていた。
だけど私も少しずつ作戦を練り、井戸の水をこっそり汲み上げては保管し、散策を装って庭に出ては足を伸ばして木の実を集めた。
そんな散策の折、私は領内にお義父様やお母様、使用人らの目が届かない安息の場所を見つけていた。
それは屋敷の裏手に広がる山林にひっそりと佇む貯蔵小屋だ。庭の散策の折、偶然その存在に気付き、何気なく戸口を引き開けたのが最初。何代も前に打ち捨てられ、放置された小屋の中は、とてもではないが人が過ごせる状況ではなかった。