年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 生前のスコット子爵夫人は、私を見守ってくれていた。そうして私に労わりの言葉をかけて、優しく手を握ってくれた。
 それらは私にとって、どんなにか励みになっただろう……。
 その実体験から、私も継続的に現地に出向き「この地を見ています」「この地を応援しています」と復興に邁進する人々に伝えていきたいと考えていた。
「王妃であるリリアが慰問や視察に出向けば、多くの民が励まされるだろう。復興の一番の励みになる」
 セラヴィンさんは眩しい物でも見るようにブルーグリーンの双眸を細くした。
「お前の存在は俺だけでなく、この国をも明るく照らす、まるで光のようだな。……リリア、俺達でニルベルグ王国をどこよりも幸せに溢れた国にしよう。リリアとならきっと出来る。そして世界一の幸せ者の座は、国民皆で競い合おう」
「はい」
 壮大な理想は、私とセラヴィンが二人三脚で挑む一生涯の課題となった。私達は目と目を合わせ、同じ決意を確かめ合った。
 二人、ゆっくりと前に向き直る。
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