年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
「要するに、お母様にとってとても大切な物って事ね。だけどアシェリー、これからこれはあなたの物よ。あなたが大切にしてくれたら嬉しいわ」
「ありがとうお母様! 私、大切にするわ!」
 セラヴィンさんによく似た淡い金髪をサラリと撫でて言えば、アシェリーはそれはそれは嬉しそうに笑い、小さな手にキュッとトンボ玉を握り締めた。
「さぁ、それじゃアシェリーもうおやすみなさい」
「はいお母様!」
 アシェリーは太陽みたいな笑みを残し、トンボ玉を握り締めて子供部屋に戻っていく。私はそんな愛しい我が子の背中を微笑んで見つめていた。

「リリア」
 愛しいその人の声にハッとして見上げれば、いつの間にかセラヴィンさんが私の向かいに立っていた。
「セラヴィンさん、おかえりなさい」
「ただいまリリア。なにか考え事かい?」
 私が大好きなブルーグリーンの瞳を見つめて微笑めば、セラヴィンさんが大きな手で優しく頬を包み込む。
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