年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
グラスの二杯目を空けたところで、感慨深げにルーカスが言った。
「いいや。お前やアントニオをはじめ、父の時代からの側近や地方領主他、支援者の尽力があってこそだ」
「……親父さんの時代に、深い協力関係にあったデルデ公国がてんであてにならなかったのには、逆に驚いたけどな」
続くルーカスの言葉に、幼少のみぎりに顔を合わせた事もあるデルデ国王の姿が過ぎった。
王宮を追われてまず、アントニオはこれまで友好関係を築いていたデルデ公国に助けを求めた。しかし亡命を望む書簡には返答すらなく、デルデ公国は俺に一切の援助を与えてはくれなかった。
一国の判断にはあらゆる思惑が絡んでくる。だから、思うところは多くあれど、俺にデルデ国王を恨みに思う気持ちはなかった。そう、なかったのだが……。
「俺は援助が得られなかった事以上に、先だって寄越された使節団に驚いたがな」
「言えてら。お前が王位に返り咲いた途端だもんな。それまで隣国の混乱の一切を知らぬ存ぜぬで貫き通してきたくせに、まったく面の皮が厚いこった」
「いいや。お前やアントニオをはじめ、父の時代からの側近や地方領主他、支援者の尽力があってこそだ」
「……親父さんの時代に、深い協力関係にあったデルデ公国がてんであてにならなかったのには、逆に驚いたけどな」
続くルーカスの言葉に、幼少のみぎりに顔を合わせた事もあるデルデ国王の姿が過ぎった。
王宮を追われてまず、アントニオはこれまで友好関係を築いていたデルデ公国に助けを求めた。しかし亡命を望む書簡には返答すらなく、デルデ公国は俺に一切の援助を与えてはくれなかった。
一国の判断にはあらゆる思惑が絡んでくる。だから、思うところは多くあれど、俺にデルデ国王を恨みに思う気持ちはなかった。そう、なかったのだが……。
「俺は援助が得られなかった事以上に、先だって寄越された使節団に驚いたがな」
「言えてら。お前が王位に返り咲いた途端だもんな。それまで隣国の混乱の一切を知らぬ存ぜぬで貫き通してきたくせに、まったく面の皮が厚いこった」