年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
ルーカスが呆れたように言った。
俺とて本音を言えば、手のひらを返したようなデルデ公国の態度に、思うところは多くある。
「だが、国の為を思えば交渉もやむを得ない。デルデ公国との国交回復が叶えば、両国の国民に恩恵は多いからな」
そうして現在、外交担当大臣らの下で、デルデ公国との国交正常化交渉が進められていた。
「それに異存はないな。なにより、そのお陰でリリア嬢奪還がこうもスムーズに運べるわけだ」
交渉開始から両国間には一気に融和ムードが漂い、デルデ公国は早々に国境から、配置していた国境警備員を撤退させている。
関所の開放こそ条約の締結を待っているが、両国間の行き来は事実上の黙認状態となっていた。
「ああ、これまでの国交断絶状態とは段違いに、安全にリリアを連れて帰れる。そう言った意味では、デルデ公国からの申し入れはまさに渡りに船だ」
ルーカスが俺の空いた杯に気付き、酒瓶を寄せて傾ける。瓶の口から深い朱色の液体がグラスに移る様を見るともなしに見ながら、俺は思いを新たにしていた。
俺とて本音を言えば、手のひらを返したようなデルデ公国の態度に、思うところは多くある。
「だが、国の為を思えば交渉もやむを得ない。デルデ公国との国交回復が叶えば、両国の国民に恩恵は多いからな」
そうして現在、外交担当大臣らの下で、デルデ公国との国交正常化交渉が進められていた。
「それに異存はないな。なにより、そのお陰でリリア嬢奪還がこうもスムーズに運べるわけだ」
交渉開始から両国間には一気に融和ムードが漂い、デルデ公国は早々に国境から、配置していた国境警備員を撤退させている。
関所の開放こそ条約の締結を待っているが、両国間の行き来は事実上の黙認状態となっていた。
「ああ、これまでの国交断絶状態とは段違いに、安全にリリアを連れて帰れる。そう言った意味では、デルデ公国からの申し入れはまさに渡りに船だ」
ルーカスが俺の空いた杯に気付き、酒瓶を寄せて傾ける。瓶の口から深い朱色の液体がグラスに移る様を見るともなしに見ながら、俺は思いを新たにしていた。