年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
「もう十分だ。お前はもう、十分過ぎるほどに頑張ってきた。これ以上、デルデ公国に心を残す事はない」
握った拳に、セラヴィンさんの手のひらがトンッと重なる。
そうしてセラヴィンさんは、まるで私の心を読んだみたいに、柔らかな声音で囁いた。
「セラヴィンさん……」
……セラヴィンさんはあえて、「デルデ公国に心を残す事はない」とそう言った。だけどこの「デルデ公国」というのは、本当は「お母様」という言葉に置き変わるのだろうと思った。
……私が選ぶ未来が赦されていくような、そんな心地がした。
「俺とニルベルグ王国に来い」
セラヴィンさんに力強く言い切られれば、清廉な光が胸を照らし、暗雲のように木霊していた憂いが霧散する。
「はい」
支度金はお母様に対しての贖罪だった。だけど同時に、お母様の金銭的な助けとなれる事は、私にとっても一縷の救い。そうして私は、そんな救いに縋ってでも、セラヴィンさんの手を取りたい。……いいや、私はセラヴィンさんの手を取って、セラヴィンさんと共に行く――!
握った拳に、セラヴィンさんの手のひらがトンッと重なる。
そうしてセラヴィンさんは、まるで私の心を読んだみたいに、柔らかな声音で囁いた。
「セラヴィンさん……」
……セラヴィンさんはあえて、「デルデ公国に心を残す事はない」とそう言った。だけどこの「デルデ公国」というのは、本当は「お母様」という言葉に置き変わるのだろうと思った。
……私が選ぶ未来が赦されていくような、そんな心地がした。
「俺とニルベルグ王国に来い」
セラヴィンさんに力強く言い切られれば、清廉な光が胸を照らし、暗雲のように木霊していた憂いが霧散する。
「はい」
支度金はお母様に対しての贖罪だった。だけど同時に、お母様の金銭的な助けとなれる事は、私にとっても一縷の救い。そうして私は、そんな救いに縋ってでも、セラヴィンさんの手を取りたい。……いいや、私はセラヴィンさんの手を取って、セラヴィンさんと共に行く――!