溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「……美味いよ」


この間のカレーもそうだが、何回も食べたことがあるのに、作る人が違うだけでこんなに味が違うのか? しかもうまい。


「良かった~。それ、永瀬くんの嫌いなニンジンが入ってるんですよ」


「はあっ!?」


ニンジン!?


思わず、ハンバーグを持ち上げてガン見する。


「細かく刻んで、玉ねぎやお肉と一緒に混ぜたんです」


「マジかよ……」


ニンジンは、ふつう入っているだけでその存在感がわかるものだから、いつも食べないようにしてたのに。


今日のはまったくわからなかった。味だってしなかった。


「よしっ」


小さくガッツポーズをする相沢。


……なんか腹立つ。美味いってのが余計に。


「これからも、ニンジンレシピ色々考えようと思うんで、楽しみにしていてくださいね」


「楽しみになんかしねーし」
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