溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「私、永瀬くんのこと、ちょっと誤解してたかも」


唐突に何を言うかと思えば。


箸をおいて、俺をまっすぐ捉えた。


こんな風に正面から目が合うのなんて、初めてだ。


「香織さんから聞いたの。その……お姉さんたちのこと。それで、女の子が苦手なことも……」


「……っ」


言いにくそうに言われ、かああっと全身が熱くなる。


ったく、余計なことしゃべりやがって!


仲間内にだって話したことのない、俺が墓場まで持って行きたかった秘密を。


「マジかよ……」


「だ、大丈夫! 誰にも言わないからっ!」


はぁぁと頭を抱える俺を見て、相沢が立ち上がって慰めるように言う。


それがまた、俺をへこませる。


「なに? 幻滅した?」


「ま、まさかっ……。逆にすごく好感が持てたよ」


好感? なんでだ?
< 103 / 326 >

この作品をシェア

pagetop