溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。

「わ、わ、わっ……きゃあっ!」


ツッパリ棒もろとも、私の体はベッドの中へ引きづりこまれ。


……。


ああ。


なんでこんなことになってるの?


私の体には、朔くんの腕がしっかり絡みついていた。


物を使っても失敗しちゃうなんて……。


シーツなのかシャツなのか分からないけど、柔軟剤のいい香りに包まれる。


「は、離してっ……」


動こうとしたら、今度は足まで絡めてくる。


さっきよりも、がっちりホールドされてしまった。


私は抱き枕じゃないのに~。


「ちょっとぉ~、もう離してってば!」


「んー……、……あ?」


そこでやっと、朔くんが目覚めて。


私の体をぎゅっと抱きしめたままの彼と、目と目が合った。


うわっ。


ものすごい至近距離で目を開けられて心臓がドクンと跳ねる。
< 111 / 326 >

この作品をシェア

pagetop