溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
『明日からもよろしくたのむ』


そんなことを言ってのけた張本人は、涼し気な顔して男子の輪の中にいる。


それを眺める女の子たち。


昼休みということもあって、他のクラスの子までが朔くん目当てでやってきている。


はー、すごい人気だなぁ。


「そっかあ……他人の家でお世話になるって大変だよねー。でも、小春なら可愛がってもらえそうじゃん」


「そうよ。小春はいるだけで周りを明るくする力があるんだから、そのままで大丈夫よ!」


真希ちゃんは明るく言ってのけ、蘭子ちゃんも励ましてくれる。


「ありがとう」


ふたりのおかげで、ちょっとだけ気分が上がった。


「小春ちゃーん、先輩が呼んでるよ~」


そのとき、廊下から違うクラスの子に呼ばれ、むくっと体を起こす。
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