溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
そこには、10人くらいの女子が待ち構えていた。


な、なにっ!?


その、ものものしい光景に身震いする。


「連れてきたよ」


さっきの先輩が言うと、明らかにリーダーだとわかる女子が、一歩前に出た。


「ふーん」


腕組をしながら、まるで値踏みするかのように、目線が上下する。


この軍団は一体……?


わたし、なにかした?


呼ばれた理由に心当たりなんて全くなくて、もう頭は真っ白。


「アタシ、永瀬朔さまのファンクラブの会長をやってるの」


「はいっ?」


永瀬朔さま? ファンクラブ?


頭のなかにハテナが浮かぶ。


「アタシたちの断りもなく、抜け駆けしないでくれない?」


尖った声で、言い放つ彼女。


抜け駆け?


そう言われても……何のことかさっぱり分からない。


「あの……意味が……」
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