溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
恐る恐る声を発すると、


「とぼけないでよ!」


本性を現した会長さんが、突然金切り声を上げた。


ひぃぃぃぃっ……!!


「アンタが朔さまにお弁当を渡してるところを見た子がいるのよっ、そうよねっ」


彼女が鋭く後ろを振り向けば、別の女の子が前へ出てくる。


それは、同じクラスの田島さんだった。


「私、この目でちゃんと見ました! 相沢さんが、朔さまへお弁当を渡しているところを」


ええっ……?


お弁当って。


もしかして、朔くんがお弁当を忘れたあの日。


階段でこっそり渡してたのを見られてたのっ!?


「ねえ、どうなのよ」


会長さんに、じりっと詰め寄られる。


うしろの軍団も、同じようにジリっと詰め寄ってくる。


「えっと……それは……」


どう答えたらいいか困ってると。
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