溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
帰ってそうそう、また調子を狂わされる俺。


昨日も今日も、いったいなんだっつうんだよ。


俺はわしゃわしゃと髪をかいたあと、和室の押し入れにあったタオルケットを持ってて、小春の体にバサッとかけた。


「……んっ……」


すると、妙に色っぽい吐息がもれて。


──ドクンッ。


俺の胸は、更に変な音を立てる。


小春ごときに、俺は何を焦ってんだ?


姉貴と同じ人種だぞ?


ほら、なんともない。


自分にそう言い聞かせるように、寝ている小春の前にしゃがみ、じっと寝顔を見つめる。


ドクン……ドクン……ドクン……。


けれど、存在感を示すように、だんだんと大きくなっていて胸の鼓動。


マジなんなんだよ。
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