溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
俺は慌てて口を挟んだ。


俺には暴露されたくない黒歴史が山ほどあるんだよっ! お前のおかげでな。


「ふふふっ。あっ、それより、朔にへんなことされてない?」


「ええっ!?」


「だって、こんなに可愛い女の子が一緒に住んでたら、普通の男はオオカミになっちゃうものよ?」


「つーか、なにしに来たんだよ」


これ以上自由にさせていたら、なにを喋るかわかったもんじゃない。


俺は、姉貴がここにいる理由を問い詰めた。


「ほら、お母さんから聞いたのよ。おばあちゃんが入院したって」


「ああ」


「家にお母さん居ないって言うじゃない? 子供たちふたりだけじゃロクなもん食べてないと思って、お姉様が来てあげたってわけ」


そう言われても、喜べるはずなんてない。


「あ~、料理なんてしたことないだろって顔してるわね」
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