溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「おいっ、なにがどうなってんだよっ!」


あわててキッチンに行けば、姉貴のそばでは小春がおろおろしている。


火事にはなっていないが、大惨事なことには間違いなさそうだ。


「大丈夫よ~、もうすぐ出来るからふたりともあっちでゆっくりしてて!」


「でも……」


小春は心配そうに見つめている。


そりゃそうだろ。


俺だって心配で離れられない。


「きゃあっ!」


ガシャン!


ドタバタ。


……はぁ……。


どんなメシが出てくるのか恐怖でしかない。



それから約30分後。



「さあ、出来たよー食べよー」


やっとテーブルにメシが並んだ。


「これ、なに?」


「なにって、見ればわかるでしょ。オムライスよ」


分かれば聞かねえよ。


けれど満足げな姉貴は、缶ビールをプシュッと開けて、そのままゴクゴクと喉へ流し込む。
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