溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「くは~っ、料理のあとのビールは最高だね~」


「作りながらも飲んでたじゃねーか」


キッチンには、すでに空の缶が1本転がっていた。


「男のくせにいちいち細かいなー。そんなんじゃ女の子に嫌われるわよ?」


……はあ。


これ以上、余計な口出ししないのが一番だ。


俺はため息をついて、口をきゅっと結んだ。


小春は、そんな姉貴を見てニコニコしている。


「じゃあ食べよっ!」


「いただきます」


早速、行儀よく手を合わせてスプーンを手にする小春。


目の前には、たぶんオムライスと思われる見たこともない食べ物。


焦げたケチャップライスの上に、スクランブルエッグのようなものが乗っている。
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