溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「美味しいです!」


俺は恐怖でスプーンを入れられずにいると、先に一口食べた小春が、姉貴に向かってにっこり笑う。


それ、マジなセリフかよ。


ああ……小春のメシが食いたかった……。


「ところでさ~、あんたたち、ふたりっきりで大丈夫なワケ~?」


いい感じに酔っぱらってきた姉貴が変に絡み、隣に座る小春を意味深にツンツンとつついた。


「え? 大丈夫、とは……?」


キョトンとした顔で、首をかしげる小春。


「だってさー、ひとつ屋根のしたに男と女が2人っきりよ~」


「やめろって」


ただでさえウザ絡みしかしないのに、酔っぱらったらもっとタチが悪くなる。


つき合うだけ無駄だと交わすと、姉貴はもっと突っ込んできた。


「ところで小春ちゃん、彼氏いるの?」


「ええっ?」


驚いたような声をあげる小春。
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