溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
俺も、必要以上に反応してしまった。


スプーンを口へ運ぶ手を止めて、小春の答えを待つ。


あの副会長は彼氏なのか……?


この答えを知りたいのは、姉貴じゃなくて俺だ。


「だって小春ちゃんめっちゃ可愛いんだもん。男が放っておかないでしょ?」


「の、希美さんっ、なに言ってるんですか! 私に彼氏なんているわけないですよっ」


「ほんとに~?」


「ほ、ほんとですって」


顔は沸騰しそうに真っ赤で、ウソを言っているようには思えない。


確かに小春は、恋愛未経験……って感じがするが。


じゃあ、あの副会長は彼氏じゃないのか。


ホッ……。


って、なんで俺、ホッとしてんだ!?


自分でも分からない心の内をさとられないように、俺は皿だけを見つめてもくもくとメシを食った。
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