溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「ひどいですっ。それ絶対に言っちゃいけない言葉ですよ! 弱さを見せないからって弱いわけじゃないのに、そんなこと言われたらたまったもんじゃないですよね! 私、ぶりっことか媚を売る女の人って理解できません!」


いつも穏やかな小春にしては、すごく怒っている。


その気持ちが理解できんのか?


小春も、男の前では弱いところを見せないタイプか?


男に媚を売る女が理解できない……って、俺と気が合うな。


姉貴がデザートに持ってきたさくらんぼをつまみながら、小春を観察する。


「まあね、見た目に騙されたアタシもアタシなんだけどー」


「そうですよっ! 男の人は見た目じゃないです、中身ですっ!」


なぜか胸がズキッとした。


俺は、見た目だけで騒がれる。
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