溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
さすが男の子だなぁ……。


布団をかけて、電気を消して扉を閉める。


「どーぞ、っつっても姉貴が持ってきたやつだけど」


リビングへ戻ると、朔くんがカルピスを持って来てくれた。


「わっ、ありがとう」


あー美味しい!


お風呂上がりの体に、冷たいカルピスがスーッと入っていく。


「さっきは……ありがとう」


「なにが?」


「私に、タオルケット掛けてくれて……」


さっきのことを蒸し返すのは恥ずかしかったけど、ちゃんとお礼を言わなきゃなって。


朔くんは、気まずそうに指で鼻の頭をかく。ほんのり耳が赤くなっている気もする。


それが余計にあの時のことを思い出させて、恥ずかしさを加速させた。


バクバクバク……。


嫌でも心臓が早くなっちゃう。


なんとなく気まずい空気が流れたのがわかり、私はカルピスをゴクッと飲んで言った。
< 147 / 326 >

この作品をシェア

pagetop