溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「でも、石黒さんガード堅そうだよなあ。うっかり手を出したらヤケドしそう」


そんなことを言って、大げさに身震いする。


……勝手にヤケドしてろよ、アホ。


彼女がいるだけじゃ満足できねえのかよ。


「でもさ、俺は相沢さん推しだな~」


……あ?


仲間のひとりの言葉に、俺は眉がピクッと動いた。


「癒されそうじゃね? なんか守ってあげたくなるっつうか」


「あー、それわかるかも。つき合うなら派手目の子がいいけど、結婚するなら相沢さんタイプだよなあ」


「わかるわかる」


おい、なんで急にみんな小春推しになってんだよ。


無性にイライラが募る。


今まで散々好き勝手女子を選り好みしてもなにも思わなかったが、小春がその対象になったとたん面白くない感情が沸き上がる。
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