溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「アイツはダメだ」


気付いたら、思わず口走っていた。


「は? アイツって、相沢さん?」


仲間が一斉に俺を見る。その目はどれもまん丸だ。


「朔、おまえ、もしかして……」


ハッ!


「ち、ちげーよ。守ってあげたくなるなんて理由で好きになるなってことだよ」


……小春も、そういうのキライって言ってたし。


汗がドバっと出てきたが、それを悟られないように平静を装う。


どうか、涼しい顔をしていてくれ、俺。


「はあ? やっぱお前の価値観分かんねえ。守ってあげたいなんて、好きになるベスト3には入るだろうよ」


「だよなー。お前も早く好きな女見つければ? そうすれば、もう少しこっち側の気持ちが分かるからよ」


「……チエッ、えらそうに」


そう悪態をついたが、内心ひやひやだった。
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