溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「小春さ、あの先輩の家に行くの?」


「あの先輩?」


「生徒会のヤツだよ」


えっ、どうしてそれ……。


確かに今日、平井先輩がたずねて来て、子猫を見に行くって話になったんだけど。


「な、なんで知ってるの?」


朔くんが知ってることに驚いた。


真希ちゃんと蘭子ちゃんには言ったけど、他の人に知られるはずなんてないのに。


「廊下であんなデカい声で話してれば、丸聞こえだって」


ウソッ……!


先輩と話してるのを聞かれてたんだ。めちゃくちゃ恥ずかしい。


私、顔がニヤけてたかもだし。


「男の家にホイホイ行こうだなんて」


朔くんは吐き捨てるように言うと、ココアを飲み干した。


むむっ。


「ホイホイって! 人聞き悪いよ……」


こんな風に吹っ掛けられれば、負けず嫌いの私は、ムキになっちゃう。
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