溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
なんだ?


──ガシャン!


「きゃああああっ!」


階下からは、悲鳴と共に皿の割れた音がして、俺は部屋を飛び出した。


「どうしたっ!?」


家全体が真っ暗だった。雷がどこかに落ちて停電でもしたんだろう。


暗さに目が慣れてないせいで、手で周りをさわりながら一歩一歩階段を下りていく。


当然1階も真っ暗。


「小春っ!」


だが勝手知ったる自分ちだ。暗闇のなかでも、迷うことなくリビングへ入る。


皿が割れたってことは、キッチンで洗い物でもしてたに違いない。一心にそこを目指していくと。


「……っ」


足元に触れた小春の感触。


「大丈夫か?」


小さく丸まっていた様子の肩に触れると、小春は「うん」と頷いた。
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