溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
小春の体は小刻みに震えていた。


「強がんなよ……震えてる」


大人しそうに見えて、実は負けず嫌いで。


さっきもムキになって俺に食って掛かって。


今、俺が触れているのは、ずっとその影を追い求めていたあの子……。


そう思ったら、心臓が大きく暴れだした。


「暗いの、苦手で……」


確かに、突然真っ暗になったら怖いよな。


しかもここは人んちで、頼れる家族もいないわけだし。


「ごめんね……ビックリしてお皿割っちゃった」


「んなのいーって、それより、ケガしてないか?」


「うん」


「よかった」


なんで俺、気づかなかったんだ?


こんなに近くに居たなんて……。


「朔、くん……?」
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